チェックバルブとリリーフバルブの違いとは?初心者でもすぐにわかる目的と選定ポイントを解説!

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チェックバルブとリリーフバルブの目的と動作の違い

チェックバルブとリリーフバルブは、いずれも「弁が開閉する装置」で、形状も似ているため混同されがちです。しかし、それぞれの役割は明確に異なります。

このセクションでは、両者の目的と動作について、シンプルかつわかりやすく解説します。

チェックバルブの目的と動作

チェックバルブ(逆止弁)は、流体の逆流を防ぐためのバルブです。

  • 通常時(順流時):
    弁が開いており、流体が一方向に通過します。
  • 異常時(逆流時):
    弁が閉じ、逆方向への流体の流れを遮断します。

リリーフバルブの目的と動作

リリーフバルブ(逃し弁)は、配管内の異常な圧力上昇を防ぐためのバルブです。

チェックバルブのように双方向の流れは想定されておらず、基本的に一方向に圧力を逃がすために使用されます。

  • 通常時:
    弁は閉じており、流体は流れません。
  • 異常時(高圧時):
    設定圧力を超えると弁が開き、流体を逃がして圧力を下げます。

チェックバルブとリリーフバルブのカタログ仕様項目の違い

チェックバルブとリリーフバルブは、どちらも「弁が開閉する装置」ですが、その目的や使われ方が異なるため、カタログに記載されている仕様項目も異なります。

このセクションでは、それぞれのバルブに一般的に記載される主な仕様項目を紹介します。

なお、「使用温度」「湿度」「寸法」「価格」など共通的な情報ではなく、各バルブの機能に直結する固有の項目に限定して説明します。

チェックバルブの仕様項目

チェックバルブ(逆止弁)は、流体の逆流を防ぎつつ、順流は適切に流し続けるバルブです。

そのため、以下のような仕様項目が重要になります。

  • クラッキング圧力:
    弁が開いて順流が流れ始める圧力。多くの場合、「最低開弁差圧」と同義で扱われます。チェックバルブは順流をスムーズに通すことが目的のため、クラッキング圧力が低いほど好ましいとされます。
  • 最低逆止差圧:
    逆流を確実に止めるために必要な最小の圧力差です。この差圧が小さいほど、微量な逆流でもしっかりと止めてくれます。

リリーフバルブの仕様項目

リリーフバルブ(逃し弁)は、管内の異常な圧力上昇を検出し、圧を逃すバルブです。

そのため、以下のような仕様項目が重要になります。

クラッキング圧力:
弁が開いて、圧力を逃がす動作が始まる圧力。
システムの安全圧(設定圧)と一致することが多く、安全装置としての基準値となります。

おわりに

チェックバルブとリリーフバルブは、いずれも「弁が開閉する装置」であり、構造や見た目が似ていることから混同されやすい部品です。
しかし、実際にはその目的・動作・仕様は大きく異なり、誤って使うと機器や配管システムに重大なトラブルを招く恐れもあります。

チェックバルブは「逆流を防ぐ」ためのバルブであり、通常は開いていて、逆流時に自動で閉じます。
一方、リリーフバルブは「圧力の異常上昇を防ぐ」ためのバルブで、通常は閉じており、設定圧以上になると開きます。

それぞれのカタログには、「クラッキング圧力」や「最低逆止差圧」など、用途に直結した項目が記載されています。
カタログを正しく読み解き、機器の使用環境や目的に応じて適切なバルブを選定することが、安全で安定した運用のために重要です。

似ているからこそ混乱しがちなチェックバルブとリリーフバルブの違いをしっかり理解し、設計・保守の現場で正しく使い分けられるようにしましょう。

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