プレスナットの用途と取付方法

プレスナットとは、板金に圧入して取り付けるナットです。上図のように、凸部側から圧入します。
薄い板金ではネジ穴を直接加工するのが難しい場合や、ネジを切ることはできても強度が不足する場合があります。プレスナットを使用することで、安定したネジ固定が可能になり、強度を確保できます。
薄い板金に強度を確保してネジ切りする方法として、プレスナットのほかにバーリング加工があります。
バーリング加工は低コストで加工できるメリットがありますが、ネジ部の強度はプレスナットに劣ります。
セルスペーサーの用途と取付方法

セルスペーサーとは、板金に圧入して取り付けるスペーサーです。上図のように、凸部の裏面側から圧入します。
主に電子基板や金属パネルを固定する際に使用され、部品同士の適切な距離を維持する役割を果たします。セルスペーサーを使用することで、組み立て作業を簡略化し、省スペース化にも貢献できます。
一般的に、製品カタログにはセルスペーサーの全長が記載されており、確保される距離は「セルスペーサーの全長から板金の板厚を引いた長さ」になります。
部品同士の空間を確保する方法として、間隔ボルトや間隔ナット、中空スペーサーなどもあります。
しかし、これらは部品点数が多くなり、組み立て作業が煩雑になるというデメリットがあります。
プレスナットとセルスペーサーの違い
前述したように、「プレスナットは板金に強度のある雌ネジを設ける役割」「セルスペーサーは部品同士の適切な距離を維持する役割」という違いがあります。
そのため、プレスナットとセルスペーサーでは、「プレスナットやセルスペーサーが取り付いた板金(以下、ベース板金)」「固定する相手部品」「プレスナットやセルスペーサー」の位置関係が異なります。
<プレスナット>

プレスナットの場合、上図のように、相手部品はベース板金と接触し、プレスナットとは直接接触しません。
プレスナットは、ベース板金に直接ネジ固定するための強度を確保するのが目的であり、部品同士の間隔を調整する役割はありません。そのため、相手部品はベース板金と密着した状態で固定されます。
<セルスペーサー>

セルスペーサーの場合、上図のように、相手部品はセルスペーサーと接触し、ベース板金とは直接接触しません。
セルスペーサーは、一定の距離を確保しながら相手部品を固定するための部品であり、電子基板の実装や、通気性を確保する目的などで使用されます。